老健リハビリより~見つけた新しい可能性~
年齢を重ねるにつれ、これまでできていたこと、楽しいと意欲的に取り組んでいたことが
〝もういい〟〝何もしたくない〟と意欲が下がってしまうことがあります。
その理由として、病気や老化により身体機能の低下や『これまで簡単にできていたことが
できなくなっている自分が辛い、認めたくない』という精神的なものが考えられます。
今回ご紹介する方もそうでした。
昔から手芸が好きで、子供さんの服を手作りしたり、住んでいた団地の仲の良い方達と手芸グループを立ち上げてレース編みやパッチワーク作品を一緒に作り上げることが大好きでした。
当施設入所後も近くの席の方との交流やぬり絵、編み物を積極的に楽しんでおられました。
【作ってこられたこれまでの作品の一部】
それが徐々に『目が見えにくい』『手が動かへん』と大好きだったぬり絵や編み物に対する意欲が少なくなり、それまで大好きだったはずの時間が嫌になってきてしまったのです。
そんな時、他の方のリハビリで大きなダルマを作っているのを見て・・・
「私もあれやりたい!!」と目をキラキラさせて言われました。
当施設でのダルマ作り(張り子)は本物のダルマを型にして、障子紙と新聞紙を交互に貼り合わせていきます。5.6周貼り終わると中のダルマを取り出し、その後はある程度の硬さになるまでひたすら貼っていきます。
目が見えにくく、手も少し動かしにくいので、職員も手伝いながら根気よく続けていきます。
色付けはご利用者さんによりますが、今回は和紙を貼ることにしました。
ダルマの顔も和紙を切り抜いて作りました。
完成!!
ダルマ作りを始めてから、あんなにも「もう目がアカンから何もできひんわ」
「したくないわ」と言っていた方が「今日、ダルマさんしよか!」と、笑顔でご自分から
言われるようになりました。
さらに日常生活のことで覚えていることや言葉数が増え、表現も豊かになりました。
ダルマの完成まで2年近くかかってしまいましたが、時間がかかった分愛着もあり大満足!
「次は人にあげるねん」と意欲的に2個目のダルマ作りに取り掛かっています!!
【リハビリ室前の特別展示場にて記念撮影】
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