お知らせ

リハビリより★スキルアップ!!~食事介助されて何を想う~

法人教育訓練の事故防止研修として、言語聴覚士が食事介助に携わる職員に対し適切な食事介助方法について学んで頂く機会を得ましたので報告します。

今回は「食事介助方法を学ぼう」ではなくて「食事介助をされて食事介助方法を学ぼう」をテーマにして、実際に介助される側になって、様々な介助方法を経験してもらい自分がしている食事介助方法をもう一度見直してもらいました。

 

まずは、座学形式で摂食・嚥下機能などの基本的な事や食事介助の方法・注意点について学んで頂きました。

その中で食事介助の方法以外に、参加者に最も理解して欲しかったスライドがこちらになります。

生命維持のために食べる事は、当然の事ながら理解されていますが、それ以外の部分で『食べる事は楽しみ』『生活意欲の向上』『満足感の向上』『コミュニケーションが拡がる』『QOL:生活の質の向上』があり、以上の5点が非常に重要であるというスライドです。日々忙しい中で業務をしていると、このような事を考えるのが疎かになりがちです。改めて確認してもらい、利用者様の食事が充実したものなればと思います。

 

実習では、グループ毎に実際の食事を使って介助する側と介助される側を体験してもらいました。

 

普通のお茶・トロミを少し付けたお茶・トロミを強く付けたお茶の飲み比べをしてもらいました。トロミが少し付くだけで「味が変わる」などの発言がみられ、強くトロミが付いたお茶では「口の中にひっつく」や「美味しくない」という発言も多くみられました。トロミ茶を飲んでもらう事で、トロミ茶を飲んでいる利用者様の気持ちを感じてもらうと同時に、評価をしっかりとしない状態で安易にトロミを強くしてしまう事がどれだけ罪深いかを理解して頂きました。

食事時の姿勢調整や介助する側の位置が変わるだけで、誤嚥のリスクが大きくも小さくもなります。

速過ぎる介助ペースや多すぎる一口量、まだ飲み込んでないのに話かけるなどの状況を演出して、いかに食べ難いかも体験して頂きました。その他、目を瞑って介助される、硬いものを噛まないで食べる、舌を使わないで食べる、口を開けたまま飲み込むなど体験もしてもらいながら、摂食・嚥下障害の方が如何に食べ難くなっているかを理解してもらいました。実際に自分が体験することで、新たな気づきや改めて食事介助方法が重要であることが理解できたと思います。

施設生活での楽しみの一つである『食事』がより楽しいものになるように、更に利用者様のwell-beingに繋がるように、更に継続してスキルアップを目指します。

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