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リハビリより『やる気スイッチ🔘』

とても穏やかで控えめなAさん。施設生活で困っていることや求めることを伺う度に「別にない」「今のままでいい」と答えられていました。

楽しみにしていることやしたいことについても「特にない」と。

対人交流も「口下手やし耳が聞こえにくいから」と消極的でした。

 

一時期、数人で集まって壁の展示物を作る場にも参加したことがあるのですが、皆のペースについていけない、うまくできない、と徐々に足が遠のいていきました。

 

そんな時、リハビリ室で開催されていた『折り紙教室』を見学する機会がありました。

 

少人数制で、先生が1人1人に丁寧に説明しながら作っているのを熱心に見ておられたため、参加を勧めたところ…

「やってみようかな」と (*^-^*)

始めは先生のマンツーマン指導だけでなく、職員が付きっきりでのサポートも必要でした。

それが参加回数を重ねるにつれ、徐々にお一人でできるようになっていったのです。

 

折り紙教室に参加したことがきっかけで、やりたいことなんかない、と言われていたAさんが『物作り』に興味を示されるようになりました。

 

この頃一時的な在宅復帰の話も出ており、Aさんは「帰りたい。でも家族に迷惑をかけるから帰りたくない」と前向きではありませんでした。

そこで、当時結婚されたお孫さんへのお祝いとして『くす玉』を折り紙で作ることを提案しました。『くす玉を作って孫にプレゼントする』ことが帰ることへの楽しみになれば、と考えてのことです。

Aさんも「うまくできるかな?でもやってみる!」と真剣に取り組まれた結果、在宅復帰日までに完成し、無事に渡す事が出来ました。お孫さんはすごく喜んでくれたそうです!

それからは「次何作ろ?もうすぐ曾孫が生まれるねん」「また孫にプレゼント作りたい」とAさんの方から言われるようになりました。普段の会話でもご自分の想いをはっきりと口にされることが多くなってきました。

自分に寄り添って、自分のペースに合わせてくれる人がいること、一緒に同じことをしている仲間がいること、完成した作品を喜んでくれる人がいること・・・それらがAさんの『やる気スイッチ』だったのかもしれません♪

☆曾孫さんの誕生祝いに、と作ってきたダルマ

 

☆現在制作中の編みぐるみ  

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